
勉強部屋をおしゃれにレイアウト! 子どものモチベーションを上げて集中力を高める方法
※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
「学校や塾の授業がだんだん難しくなっているみたいだから、子どもが集中して勉強できる環境を整えてあげたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?
低学年のうちから勉強に集中できるよう、モチベーションを上げられるお部屋づくりをしたいですよね。
そこで今回は、おしゃれなのに勉強に集中しやすいインテリアと、勉強に最適な温度や湿度(※)、そしてお子様が部屋で勉強したくなる空間にするためのポイントをご紹介します。
(※)個人差があります。あくまで目安としてご覧ください。
勉強部屋をつくるメリットとデメリット

近年、リビング学習をする子どもが増えており、勉強効率や発達の観点からさまざまなメリットがあるといわれています。しかし、子どもの成長や性格に合わせた学習スタイルがあり、勉強部屋を用意した方がいいということもあるでしょう。
個室の学習スペースは静かで集中できるというメリットもありますが、勉強の様子を把握できないなどのデメリットがあります。
勉強部屋をつくる場合、メリット・デメリットを把握したうえで計画するようにしましょう。
●メリット

勉強部屋をつくるメリットは大きく分けて3つあります。
・子どもが自分のペースで勉強できる
・静かな環境で勉強できる
・家族の気遣いを減らせる
家族の生活音やテレビなどの雑音から離れた勉強部屋であれば、集中して物事に取り組むことができるでしょう。
また、リビングで学習する場合、家族が音を立てないように配慮する必要がありますが、勉強部屋があれば、そのような気遣いを減らすことができます。
子どもが自分のペースで勉強できる勉強部屋は、効率の良い学習につながるメリットが期待できそうです。
●デメリット

勉強部屋にはデメリットもあります。
・誘惑に負けて勉強に身が入らない
・電気代などの光熱費がかかる
・子どもの学習状況を把握しにくい
個室の勉強部屋は大人の目が行き届かず、子どもによってはスマホなどの誘惑に負けてしまう可能性もあります。そのため、子どもの行動を細かく把握できないというのが勉強部屋をつくる際のデメリットといえます。ほかにも、個室にするとエアコンなども必要になるので、光熱費が増加することも覚えておきましょう。
好きな場所で勉強できる環境を整えてあげることが大切

子どもの学習場所は年齢や性格によってリビングや勉強部屋などに振り分けられますが、大切なのは大人の思い込みで勉強する場所を決めないことです。
自分が好きな場所ではリラックスして学習ができるため、子どもにとって最適な環境を整えることが大切だといえます。
●勉強部屋があってもリビングで勉強したいときもある
親の判断で子どもに勉強部屋をつくっても、必ずしもそこで勉強するとは限りません。子どもは自分の勉強部屋があっても家族のいるリビングで勉強したいときもあります。家族が近くにいることで適度な雑音があるリビング学習は集中力が高まるといわれています。
●リビング・個室、それぞれの子どもに合った学習スタイルがあるので柔軟に対応する
「勉強は個室で」という固定観念を持たず、子どもの日々の状態に合わせ、リビング・個室など柔軟に対応することが大切です。
部屋の色選びやレイアウトで勉強に集中できる環境をつくる
子どもは自分の置かれている環境によって、集中力が高まったり注意散漫になったりします。そのため、子どもが勉強に集中できる環境をつくることが大切です。
●勉強しやすい色選び
色選びは、勉強部屋のレイアウトを考えるポイントの1つです。色彩心理学では、一般的に色にはそれぞれ異なる効果があると考えられています。
・青色系:集中力を高める
青は冷静さを感じさせる色です。集中力を高めたり、気持ちをリラックスさせることが期待できます。ただし冷たい、悲しいといったネガティブな感情を想起させる一面もあるので、勉強部屋全体というよりはカーテンや家具などアクセントとして選びたい色です。
・黄色、オレンジ系:やる気を高める
黄色やオレンジはやる気を高め、脳を活性化させる色といわれています。しかし、エネルギッシュゆえに取り囲まれていると疲れやすい色でもあるため、勉強机から少し離してワンポイントとして使うとよいでしょう。
・ブラウン系、ベージュ系:リラックスできる
ブラウンやベージュは、木や大地をイメージさせる色で安心感があります。ベーシックな色だけに、子どもが成長しておしゃれな雰囲気にしたくなった場合や、かっこいいテイストに変更したい場合でも邪魔になりません。
●照明選び
照明にはさまざまな色合いがあり、ケルビン単位で表される“色温度”で表現されます。
色温度の高い照明は青白く、低い照明はオレンジがかっています。勉強に取り組む際には集中力を高める効果があるといわれる、やや青味がかった“昼光色”と呼ばれている照明を選びましょう。
なお、色温度の低いオレンジがかった照明はあたたかみのある雰囲気を演出してくれるので、レストランや飲食店で使われることが多い色です。部屋をおしゃれに演出してくれますが、パソコンやノートの文字が読みにくいため、過度にオレンジがかった照明は勉強部屋にはおすすめできません。
●集中しやすいレイアウト
勉強に集中できる部屋のレイアウトを考えるなら、インテリアの中でも存在感がある机やベッドのような大型家具の配置から決めましょう。
・窓の近くに机を配置する場合
窓から近く、それでいて直射日光や強い西日でまぶしくならず、自然に手元が明るくなるような配置が理想的です。レースのカーテンなどで光量を調整しましょう。
・部屋の隅に机を配置する場合
視界に入るものが壁しかないため、目の前のことに落ち着いて集中できるという場合もあります。子どもの性格や好みに合わせて、配置を検討しましょう。
・勉強に必要なものだけを置く
机は広めにワークスペースを取り、勉強道具以外は置かないようにします。書棚や文具の収納スペースは手の届く範囲に十分な量を確保し、余計なものは増やさずシンプルさを保ちましょう。やるべきことを可視化して管理できるよう、ホワイトボードなどを活用してモチベーションをアップさせるといった方法も効果的です。
勉強に必要なもの以外は、なるべく目につかないところに配置しましょう。
・ベッドは視界に入らない場所に配置する
机に向かって座ったときにベッドが視界に入ると、集中力の妨げになります。疲れて帰ってきたときや勉強に飽きてきたときにベッドが見えてしまうと、どうしても寝転がりたくなってしまうものです。先に紹介した「勉強に必要なものだけを置く」という法則にしたがい、勉強部屋のベッドが勉強中の視界に入らないよう部屋全体の家具の配置を工夫し、集中力を乱さないようにしましょう。
●机とイスの高さ
机とイスの高さが子どもの体格に合っているかも重要です。
イスの高さの目安は、イスに深く腰掛けたときに足裏全体が床に接しているかどうかです。座面の高さは身長×1/4程度が理想とされていますが、子どもは成長するので座面の高さを調節できるイスがよいでしょう。高さが調整できないイスでも、身長が伸びて座面の高さが合わなくなったらクッションなどを使い、ある程度の調整はできます。また、足裏が床に付かない場合には足置きとしてちょっとした箱を置くとよいでしょう。
机の高さは、座面の高さとの関係で確認できます。机の作業面の高さからイスの座面の高さを引いた寸法を「差尺(さじゃく)」といい、最適な差尺は身長×1/6とされています。
イスの座面高は調節できますが一般的な学習机の高さは70cm前後が多く、自由に調節できないものも多くあります。
そのため、机の高さから「差尺=想定身長×1/6」を引くと、長時間勉強するようになる中高生頃の身長を想定した最適なイスの座面高を算出できます。
仮に想定身長を160cmとすると、差尺は「160×1/6≒26.7(cm)」です。
机の高さが70cmであれば、イスの座面は「70-26.7=43.3(cm)」となります。
この高さを目安とし、座面を高くできるイスを選ぶとよいでしょう。
※参照:一般社団法人日本オフィス家具協会

●リビング学習をする場合
ダイニングやリビングのテーブルが学習机となるときもあります。ダイニングやリビングは散らかりやすいので、日頃からテーブルが乱雑にならないよう心がけましょう。気の遣いすぎもよくありませんが、学習の邪魔にならないようテレビの音量を下げたり大きな生活音を出さないようにするなど、家族のさりげない気配りがあるとよいですね。
テーブルの上に何も置かない状態にするのが難しければ、パーソナルスペースを確保するリビング学習用の簡易な間仕切りもあります。視界を遮り集中しやすい環境をつくりながら、学習に使う文具を収納できる機能もあるので、子どもだけでなく大人も便利に使えるでしょう。
●最適な温度と湿度
室内の温度や湿度の管理はとても大切です。暑すぎると頭がぼんやりしやすく、寒すぎると手足の冷えから勉強に集中できません。また、湿度が高すぎると不快感が増し、冬の乾燥で湿度が下がると健康トラブルを引き起こすおそれもあります。
勉強部屋に適した環境は、温度18℃以上28℃以下、相対湿度は30%以上80%以下であるとのデータ(※)があります。ただし、すべての子どもにとってこの数値が快適というわけではないので、温湿度計を設置したり子どもの意見を聞いて、その子が快適だと思える温度や湿度に合わせるようにしましょう。
※参照:文部科学省学校環境衛生基準より
●生活音や外部からの騒音を軽減したいなら天井の変更や和室風の部屋づくりもおすすめ
雑音や快適でない湿度が集中力を低下させる要因であれば、天井材に吸音や調湿・消臭性能を持つ製品を使うのもよいでしょう。DAIKENでは、勉強に集中しやすい環境を整える天井材をご用意しています。
また、床の一部に畳を敷いた和室風の部屋づくりも気分を落ち着かせ、勉強に集中しやすい環境をつくれます。
子どもの性格や体調などを考慮して、勉強に集中しやすい環境に整えてあげたいですね。
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監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級
公開日:2023.03.03 最終更新日:2025.03.19